203系は日本国有鉄道が1982(昭和57)年に常磐線の我孫子〜取手間の複々線化に伴い地下鉄千代田線直通用に導入した直流通勤形電車です。
それまで地下鉄千代田線への直通は103系1000番台を使用していたが、長距離地下区間を走る上に加減速を繰り返すにも関わらず、抵抗器の冷却
が自然冷却方式であったために、抵抗器の廃熱が地下鉄のトンネル内に充満し、温度上昇や制御装置を傷めるなどの問題があったほか、電機子チョッパ制
御の営団6000系や界磁チョッパ制御の小田急電鉄9000形に比べて消費電力が大きという問題もあり、国鉄が消費電力の格差分電力費を営団地下鉄へ支払っ
ていました。それらを改善するために営団地下鉄側から国鉄に対して早期のチョッパ制御の車両導入の要望があった。
それらの要望もあって201系の地下鉄直通車の製造が決まり、造られたのが201系ではなく203系でした。
201系と違い地下鉄へ直通するために車体は不燃材質であるアルミ合金で作られたほか、前面貫通扉の設置などが設けられた。
しかしながら、2008(平成20)年の夏頃よりE233系の導入が決まり、203系と
207系900番台の両形式とも置き換え・廃車が決まった。