205系は日本国有鉄道が1985(昭和60)年から国鉄民営化後の1994(平成6)年にかけて製造され、首都圏や京阪神地区に導入された
直流通勤形電車です。
この205系は当初、山手線の103系の置換えで「省エネルギー電車」として先に導入されていた201系
を投入する予定だったのだが、車体が鋼製である他に界磁チョッパの価格がそれほどほど安くなく、国鉄末期で財政難で山手線に投入すると膨大なコストが
かかるために、201系より製作コストの安い205系を開発し、軽量であるステンレス製で界磁チョッパよりも省エネ効果が得られる界磁添加励磁制御や
ボルスタレス式台車を国鉄で初めて採用した。その他に戸袋窓の廃止や塗装の帯化などにより、メンテナンスの手間がかなり軽減された車両でもあり、
国鉄分割民営化後も東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)で設計・製造が続けられた。
103系が走っている路線では新幹線の騒音よりもうるさかったこともあり、騒音対策なども含めて205系が導入された線区がある。それ以後、
埼京線や東海道・山陽線、京葉線や武蔵野線などにも波及していき、使用路線によって異なったラインカラーや前面スタイルとなった。
JR東日本では通勤ラッシュによる雑時のために1990年から片側6扉車を導入した。これにより朝の混雑時は乗降時間の短縮や立席定員を増やせる
ように座席を収納できるようにした。
2002年より山手線には後継のE231系500番台が投入され始め、2005年に全編成が同線から引退し、埼京線や武蔵野線・
京葉線に転属した他、中間車も制御車化改造されて仙石線や鶴見線などにも転属した。なお、武蔵野線に転属した車両は電動車のVVVF化改造も行われた。
京阪神地区でも321系の投入などによって2006年に東海道・山陽線から撤退し、JR西日本の205系はすべてが阪和線に転属した。