E127系は107系と同じく、それまで走っていた急行列車が廃止や特急格上げによって余剰になった165系
などの急行形電車が運行されていた線区で、車両の老朽化だったり、デッキ付きの2扉でラッシュ時には乗客の乗降が捌けなかったり、逆に日中の
閑散時には輸送力過剰となってしまうという悪循環だったために、JR東日本が新たに導入した通勤・近郊両用の直流一般形電車です。
E127系は209系をベースに造られ、新潟地区では従来までセミクロスシートだったのに対して、同地区での乗客
の増加に従うラッシュ対応のためにロングシートが採用され、2両編成を基本としながらも増結やワンマン運転などにも対応しており、また、このE
127系のVVVFインバータ制御装置はJRグループではほとんど採用例がなかった東洋電機製造のものが採用されています。
最初に0番台が1995(平成7)年5月8日に新潟地区で営業運転を開始しました。実際は同年3月のダイヤ改正から運用を開始する予定
でしたが、同年1月に発生した阪神淡路大震災の影響で川崎重工製の一部車両の納入が遅れたために営業運転開始がずれ込んだと言われています。
続く100番台が1998(平成10)年12月8日より松本地区で運転を開始したが、前面が701系チックになったほ
か、大糸線が観光路線であり西側に北アルプスや仁科三湖がある事を考慮し、東側がロングシートで西側がクロスシートとなっています。
なお、以前は篠ノ井線や中央本線へも乗り入れていたが、保安装置がATS−SnからATS−Pへ切り替わったのに従い、2003(平成15)年1
2月20日以降は大糸線のみでの運用となっています。