１６５系は１９６３(昭和３８)年に日本国有鉄道(現JR)に上野〜新潟間の急行「佐渡」号として導入され、当時の急行型車両としては、代表的な存在でした。当時、出力不足 だった１５３系に代わって登場し、東海道本線・山陽本線・東北本線・上越線などを中心に活躍してきました。デビュー当時は、特急より急行の方が本数が多く、「佐渡」・「 アルプス」・「信州」・「かいじ」・「赤倉」・「妙高」・「外房」・「内房」・「東海」・「ちくま」などの急行列車を中心として運転されてきましたが、時が過ぎるに連れ て次第に急行が特急に格上げされたりして、１８３系や１８９系、４８５系が充当されることになり、１６５系は急行運用から臨時列車や団体列車、近郊輸送用の運用に変わっ て、一部の車両はジョイフルトレインに改造されました。
　そのジョイフルトレインの中に「パノラマエクスプレス」号があります。１９８７年春にデビューして、行楽列車や団体専用列車を中心に活躍し、２００１年８月３１日(金) の快速「想い出のパノラマアルプス」号(新宿⇔甲府)の旅客運転を最後に引退し、同年９月４日に富士急行に譲渡されました。
　残った１６５系たちも時代の流れに逆らえず、バリアフリー化や車両の老朽化、新型車両の増産などによる１８９系などの特急車両との置き換えとともに、２００３年夏に引 退することになり、各地でリバイバル運転が実施されました。そして、２００３年９月２８日(日)の急行「さよならこころ」号(越後湯沢⇒新潟間の片道運転) の旅客運転を最後にJRの在籍車両はすべて引退、４０年間の長い歴史に幕を閉じました
　現在、秩父鉄道で特急「秩父路」号として、富士急行で「ふじさん特急」として、数編成が別の会社で現役走行しています。